2023/03/17
福岡市中央区けやき通りにある、ペルシャ絨毯店のリニューアル計画について紹介します。
今回ご依頼頂いた理由としては、新規顧客獲得に向けてのリブラディングの一環として店舗の改装を行いたいとの事で、ホームページよりお問い合わせを頂きました。
現場はけやき通りに面する路面店で、交通量も多く目に留まりやすい立地。
ヒアリング内容の中で、マストで改善したい部分としては、以下のような内容でした。
・高すぎる天井を低くし、商品が目立つ空間に
・商品数を減らして、シンプルで見やすいディスプレイに
・入店しやすい印象に
店内写真
改装前に現場調査させて頂いた時の写真です。
現場調査をさせて頂いた際に感じた点としては、大きく以下の3点です。
①商品数が多すぎて、売り場としてのメリハリがない
②壁が柄物クロスの為、ペルシャ絨毯の柄が生かされていない
③照明の器具や色温度がバラバラの為、空間の統一感がない
今までにお店のイメージチェンジとして、社長自ら店内装飾を試行錯誤されてきたとの事でしたが、今回は私達が大々的なイメージチェンジを果たすべく、顧客目線で空間を捉えた上で、アドバイスをさせて頂きました。
ヒアリング後、デザイン期間を頂き、プレゼンテーションを行わせて頂きました。
今回の店舗改装でご提案させて頂いたコンセプトは
”THE MUSEUM”
通りかかった時に誰もが気になる、美術館のような絨毯店をイメージし、限られた条件の中で何よりも一番に絨毯を目立たせる!
福岡を代表するペルシャ絨毯店として堂々とした空間演出を計画しました。
上の写真は、プレゼンテーションの際に使用した資料の抜粋です。
左上:マテリアルイメージ
幅広いターゲットに好まれる色調の木目と、絨毯を引き立たせる白壁をベースに真鍮などの金物をアクセントに取り入れるマテリアル計画。
左下:インテリアイメージコラージュ
今回の改装で私達が思い描く空間をクライアントに共有する為、イメージ写真を集めたもので今回は白をベースとしたインテリア写真や絨毯のディスプレイ方法を伝える写真を準備しました。
右上:平面プラン図
目立たせたい商品の優先順位を整理しつつ、売り場にメリハリを与える。全体的に見やすいレイアウトに。
右下:外観イメージ3Dパース
存在感を与えるべく、奥行き感を感じる新たな外壁形状に変更し、ペルシャ絨毯のようにしっとりとした優しい印象をモチーフに左官材で仕上げる計画としました。
この他に何枚もの資料があるのですが、クライアントが改装後のイメージしやすい資料作りを心掛け、わくわくするようなプレゼンテーションを行えるよう、日々努めています。
これらのプレゼン資料を元に、次は各所の細かい打ち合わせを行っていきます。
今回ご依頼頂いた社長様は普段は関東にいらっしゃる方でしたので、メールでのやりとりをさせて頂きながら、複数回現場にて対面打合せをさせて頂きました。
設計期間としては、最初の現場調査から細かいディティールの決定まで約6か月を掛け、念密に打合せをさせて頂きました。
その後、工事契約を行わせて頂き、いよいよ着工準備期間となりました。
まずは、製作に日数が掛かる商品棚や受付カウンターなどの製作家具から発注を進めていきます。
什器図を元に家具製作の職人と打合せを行い、納め方や仕上げ方について、ひたすらチェックを行います。
一つの製作家具に対して、ガラスや金物など複数の業者が絡む製作については、特に慎重に打ち合わせを行い最新の情報を共有しながら連携を取っていく必要があります。今回は特に木製家具とガラス製作の絡みがあるデザインになっている為、最新の注意を払います。
その他の工事に関しても、着工前打合せを現場にて行い、頭の中で先に工事を行って、もしものトラブルやリスクを想定し準備を進めていきました。
次回は、いよいよ解体スタートです。